赤い丘

日々の雑記。歯科医師。文学。哲学。酒。

バターコーヒー

僕は、半年ほど前からバターコーヒーを朝食代わりに愛飲している。バターコーヒーは、一般的にバターとMCTオイルを入れたコーヒーのことを指す場合が多い。

DAVE ASPREYが提唱して、広く人口に膾炙したコーヒーである。朝食を欠食する代わりに、バターコーヒーを飲む。1日の中で断食する時間をできるだけ長くとる、いわゆる、間歇的ファスティングを行う際に、空腹を紛らわしてエネルギー源となるバターとMCTオイルをコーヒーに混ぜて摂取するのである。

最近では、fat adaptation などの言葉も流行ってきているように、間歇的ファスティングのメリットが取り沙汰されることも増えてきているような気がする。

ダイエット効果はもとより、体内のインスリン抵抗性や脂質代謝の改善、ランニングエコノミーの改善など、様々なメリットが挙げられている。

僕も事実バターコーヒーをはじめてから3ヶ月くらいで5〜6㎏の減量に成功した。しかし、よくあるダイエット法につきものな疑いとして、本当にこれが原因で痩せたのかという問題がある。結論を申し上げると、それはよくわからない。

僕はバターコーヒーを飲み始めた頃から、ランニングに本格的に取り組み始めた。また、バターコーヒーを折角飲んでいる訳なので、昼食や夕食もなるべく健康的なものを食べるように心がけていた。すなわち、体重減少に寄与する原因が複数考えられる。

ダイエットというものは、このように様々な因子が絡んでいるものなので、一概にこれが原因だと言い切ることは非常に難しいと言わざるを得ない。

○○ダイエットという、取っつきやすいキャッチコピーを伴った無数のダイエット法が流行りだして久しいが、絶対的に痩せるダイエット法というものは見たことがない。ある観点から見ると痩せる要因がある、ということに過ぎず、その人の生活全般や健康状態などは基本的に考慮に入れられていない。したがって、一般化して○○を食べれば痩せるなどという文言は、普遍性がない。

もしかすると、自分に合っていて痩せるかもしれないが、全然効果がみられないことだってある。

そういう意味では、試してみる価値もあると言えるが、多くのダイエット法がブームになり、やがて下火になることを繰り返している。

バターコーヒーに関しても、メリットがあればデメリットもある。正しく実践できなければ、健康を損なう可能性だってままある訳だし、そもそも正しく実践したつもりであっても長期的にみて健康的かどうかなど誰もわからないのである。

やるもやらぬも自分次第である。むやみに健康を志向するということは、不健康であるという逆説もある訳なので、無理をしないで適度にというのが大切であろう。自分が健康か不健康かということは自分自身が誰よりも知っているはずである。